ラジオ波治療とは?

肝悪性腫瘍に対するラジオ波治療は、わが国では1999年から臨床に応用されてきました。わが国における肝悪性腫瘍に対する代表的な治療法は従来より、肝切除療法、経皮的エタノール注入療法、肝動脈塞栓療法等があります。(「肝癌の治療」を参照)ラジオ波治療は、経皮的(皮膚から体内に針を刺して)に腫瘍に対してラジオ波電極針を直接穿刺します。この電極針周囲に発生する熱エネルギーにより、腫瘍とその周囲を熱凝固壊死(癌細胞が死ぬこと)させて治療します。外科的な切除術では皮膚に切開した傷跡が残るほか、周囲の肝組織を切除することによる肝機能低下が起こります。ラジオ波治療では皮膚表面に小さな針の跡が残るだけで、外科的切除より侵襲性が低い治療法です。

展開針を用いたラジオ波による熱凝固壊死形成のプロセス

1. 先端から凝固が始まります。
2.次に、針の中心に向かって凝固が起こります 
3. 中心まで凝固したら、各展開針の間に凝固が広がります
4. 終了時には球形に近い凝固

ラジオ波治療前後のCT画像

副作用・合併症について知りたい

どのような治療にも、副作用や合併症の発生の危険性はあります。ラジオ波治療においても合併症は報告されています。ラジオ波治療に際しては合併症対策を考慮した上で治療を行いますが、それでも合併症が起こる場合があります。

主な副作用

発熱
組織が熱凝固壊死されることに対する生体反応として発熱が生じると考えられています。治療後に発症します。

疼痛
治療中に多く発症します。治療部位や個々の患者様によってその疼痛の度合は異なります。鎮痛剤や麻酔薬などを用いることにより、ほとんどの症例で痛みを抑制することができます。

主な合併症

出血
治療が終わってラジオ波電極針を肝臓から抜いた後に起こります。

肝膿瘍
ラジオ波により熱凝固壊死した組織が、胆管損傷に基づく腸内細菌の逆行性感染によって起こると考えられます。

門脈内血栓
門脈近傍の組織を焼灼する際に発生する熱により、門脈内の血液が凝固することがあります。血栓ができて門脈を詰まらせることによって、肝萎縮に至ることもあります。

火傷
大腿部に貼る対極板の部分の皮膚の火傷。

その他
肝機能障害や炎症反応は術後1 週間程度で改善します。
また、血胸、胸水、腹腔内出血、胆管内出血、胆のう炎、消化管穿孔、肝破裂、心タンポナーデなどの合併症がまれに発症します。