胆嚢(たんのう)・胆管の働きと胆道結石について

胆嚢(たんのう)、胆管は肝臓で作られた胆汁を胆嚢で濃縮して胆管を通して十二指腸へ流す管のことを言います。胆汁は食事で取った脂肪の分解に関わりますが、消化酵素ではありません。この胆汁のなかに含まれているコレステロールやビリルビンが結晶となり大きくなってできたものを結石といいます。胆嚢内にできたものが胆嚢結石、肝臓内の胆管にできたものが肝内胆管結石、胆嚢から総胆管に出てきたものや、総胆管にできたものが、総胆管結石と呼ばれています(図1)。一般には、この胆汁を流す道にできた結石はまとめて胆道結石と呼ばれています。  

症状について

胆道結石は、症状が全くない場合もありますが、結石が胆嚢の出口や胆管の十二指腸への出口に嵌(はま)ってしまうと、痛みが生じます(図2)。また、脂っこいものを食べた後に心靴窩部(みぞおち)や右季肋部(みぞおちの右)が痛んだり、血液検査で肝臓・胆道の酵素であるGOT、GPT、LAP、γ-GTP(ガンマ-GTP)、ALPの上昇が見られたりすると胆道結石が疑われます。胆管結石で感染を起こすと化膿性胆管炎といって胆道全体に感染が及び、黄疸や胆道感染により発熱します。この様な場合には緊急入院や緊急の治療が必要な状態と言えます。