不整脈ってどうやって治療するの?

不整脈の治療方法は主に3つ。
脈拍を整える抗不整脈薬などを用いる「薬物治療」、心臓にカテーテルを通して原因部分を直接治療する「カテーテルアブレーション治療」、ペースメーカを使う「デバイス治療」などがあります。
脈が速い頻脈の場合は薬物治療やカテーテルアブレーション治療、頻脈と脈が遅い徐脈の合併症の場合にはペースメーカ治療が行われます。

薬物治療

不整脈の治療には、脈拍を整える抗不整脈薬が用いられます。主に異常な電気信号を抑制する作用があります。患者さんによっては、抗不整脈薬とほかの治療法を組み合わせることもあります。
また、血栓予防のために、血液をさらさらにする抗凝固薬も用いられます。

カテーテルアブレーション治療

カテーテルと呼ばれる細い管を足のつけ根の血管から心臓の中に入れ、心臓内の組織を直接治療します。焼灼(しょうしゃく:小さなやけど)や冷凍凝固法により、不整脈を引き起こす異常な電気信号が心臓全体に広がらないようにします。頻脈性不整脈の直接の要因の治療を試みる治療法です。

外科的手術

外科的手術では胸を開き、心臓に外科的処置(切開と縫合、凍結、焼灼など)を行うことで、不整脈の原因となる異常な電気信号の通り道を断ち切ります。患者さんの体への負担が比較的大きいため、ほかの心臓手術と同時に行う場合や、ほかの治療法では効果が十分でない場合に実施されます。

デバイス治療

■ペースメーカ

ペースメーカは、心臓の筋肉に電気信号を与え、人工的に心臓を動かすことで拍動のリズムを補助する装置です。ペースメーカ本体を胸部または腹部に埋め込み、本体から出ているリード(導線)を心臓に留置することで電気信号を伝えます。主に脈が遅くなる徐脈性不整脈の治療に使われます。

■植込み型除細動器(ICD)

植込み型除細動器(ICD)は、心臓の状態を観察し、不整脈を検知すると自動的に電気ショックによる治療を行います。 心室頻拍や心室細動など、命にかかわる不整脈による突然死の予防手段として使用されます。

■心臓再同期治療機能付き植込み型除細動器(CRT-D)

心臓を左右から電気で刺激して、電気信号や収縮のタイミ ングのずれを調整する装置です。心臓の状態の記録と電気ショックによる治療を行うICD の機能もあわせ持ちます。命にかかわる不整脈を合併した重症心不全の治療に用いられます。