不整脈ってどうやって検査・診断するの?

不整脈を正しく診断するために、心電図や心臓超音波(心エコー)、心臓CT、心臓MRIなどの検査方法があります。
なかでもカテーテルを心臓内に入れて行う心臓電気生理検査(EPS)は、重要な方法とされています。
検査を行うことで、不整脈のタイプを診断し、最適な治療方法を決定します。

診断の流れ

不整脈の診断は、自覚症状を確認する問診から始まります。その後、不整脈が疑われる場合は検査を行い、検査結果から病名を診断します。治療方針は、重症度に応じて決められます。

<問診>

  • どのような症状か

  • いつ症状が出るか

  • いつから症状があるか
    など

<検査>

  • 心電図検査

  • 胸部レントゲン検査

  • 心臓超音波検査
    など

<診断>

  • 病名

  • 治療方針

 

安静時12誘導心電図検査

心臓の動きを記録し、脈の乱れを調べる検査です。ベッドに横たわり、手足と胸に電極をつけて心電図を記録します。これにより不整脈のタイプを判別するための手掛かりが得られます。

安静時12誘導心電図検査
 

長時間心電図検査

(ホルター心電図、イベントレコーダー、植込み型心電計など)

長時間にわたり心臓の動きや脈の乱れを調べる検査です。日常生活における心臓の状態を記録することで、病院での短時間の検査ではみつからなかった不整脈を発見することができます。
主な機器と記録時間は次のとおりです。

主な機器と記録時間

  • 24時間ホルター心電図レコーダー(24時間)
  • パッチ型長時間ホルター心電図レコーダー(14日間)
  • 体外式イベントループレコーダー(1~4週間)
  • 植込み型心電計(3~4年)

 

運動負荷心電図検査

(トレッドミル、エルゴメーター、階段昇降など)

安静時には症状がみられず、運動しているときにだけ発生する不整脈を調べる検査です。次の方法で体に負荷をかけて運動時の心臓の状態を作りだし、心電図を記録します。

  • ベルトの上を走るトレッドミル
  • 自転車を漕ぐエルゴメーター
  • 階段昇降

心臓超音波検査

(心エコー検査)

心臓が動く状態を、直接、見ることができる検査です。心臓の部屋(心房・心室)の大きさや心臓の壁の厚さ、弁の動きや心臓が収縮する力を測定し、不整脈の原因となりうる心臓の病気がないかを確かめます。

心臓電気生理検査

(EPS)

心臓の中から心電図を記録し、心臓のどこを治療すれば不整脈が治せるかを調べます。患者さんごとに適した治療法を決めるための重要な検査です。

検査では、カテーテルと呼ばれる細い管を足のつけ根の血管から心臓の中に挿入し、先端のチップ(電極)を心臓の壁にあてながら、不整脈の原因となる異常な電気信号を検知します。

検査中に薬剤を投与して、治療に有効な薬を判定することもあります。

心臓電気生理検査

心臓CT / 心臓MRI

不整脈の原因となりうる心臓の異常をみつけたり、カテーテルアブレーション治療を正確に行ったりするために、心臓の形を調べる検査です。心臓CTではエックス線を、心臓MRIでは磁力を使って心臓の断面写真を撮影し、これをもとに立体的な画像を合成します。