不整脈ってどうやって治療するの?
徐脈治療(ペースメーカ治療)
頻脈治療
日本では10 数年前から行われ始め、今では年間一万数千例が行われている治療方法です。心臓電気生理検査(EPS検査)と同様に行いますが、心臓電気生理検査用カテーテルの他に、高周波カテーテルアブレーション治療専用のカテーテルも心臓内に挿入し、心臓電気生理学検査の結果判明した、不整脈を発生させる異常な電気の発生場所や異常な電気の通り道(数ミリ)にカテーテル先端をピッタリと密着させます。そのカテーテル先端から500kHz前後の高周波(Radio Frequency)の電気を流すと、組織は50度~70度の温度で焼灼されて凝固壊死状態となり、結果的に異常な電気の発生を抑止させたり、異常な電気を通さなくなり、不整脈は起こらなくなります。この治療方法では、心臓組織の極めて小さな部分のみを焼灼するので、心臓自体の機能には影響を与えません。

3. ICD(植込み型除細動器)治療
植込み型除細動器(Implantable Cardioverter Defibrillator:以下ICD)は、頻拍性(非常に脈の速い状態)心室性致死性不整脈(=心室頻拍や心室細動)による心臓突然死の予防手段として使用されます。心臓が致死性不整脈状態になったとき、ICDがこれを察知し、自動的に電気ショックを発生させて心臓のリズムを取り戻します。ICDには、皮下植込み型除細動器(S-ICD)システムと経静脈ICDシステムの2種類があります。
心臓再同期治療機能付き植込み型除細動器(Cardiac Resynchronization Therapy Defibrillator:以下CRT-D)は、上記のICD機能に加え、十分な薬物療法にも関わらず症状が改善されない「重症心不全」に対し、電気刺激を用いて心室収縮タイミングのずれを調整し、血行動態の改善を目的とした「心臓再同期治療機能」による治療が出来る機械です。外観上もICDと殆ど変わりませんが、心臓内に入れる電線が三本になります。


