2020-12-4

S-ICDパルスジェネレータの患者モニタリング(クラスI)に関するお知らせ

弊社が製造販売しておりますS-ICDパルスジェネレータ(以下、「S-ICD」といいます)につきまして、患者モニタリング(経過観察)を行うことを決定いたしましたのでお知らせいたします。

なお、対象となる製品は全て特定しており、患者様のフォローアップを実施していただくよう、速やかに医療機関に依頼しております。下記の患者モニタリング概要に記載の事象が発生した場合は、早期のS-ICD交換が必要になることが想定されます。現在までに健康被害に至った事例は報告されておりません。

本製品をご使用中の患者様、並びに治療に当たられています医療関係者の皆様にご不便とご心配をおかけすることになりましたことを深くお詫び申し上げます。
 

1. 患者モニタリングの概要
弊社S-ICDにおいて、除細動治療に関連して生じた電気的過負荷によってヘッダ内部部品の損傷が発生した事象(以下、本事象)が、海外で6件確認されました。本事象が発生した場合、必要な除細動治療ができずに重篤な健康被害に至る可能性を否定することができないことから、本事象が発生する可能性のあるS-ICDが植え込まれている患者様について、治療方針の確認や定期的なフォローアップなどのお願いを医療機関に対し実施することとしました。
 

2. 患者モニタリングを実施する事業者
(1)会社の名称 ボストン・サイエンティフィックジャパン株式会社
(2)本社所在地 東京都中野区中野4-10-2中野セントラルパークサウス
(3)事業の業態 第一種医療機器製造販売業
(4) 許可番号 13B1X00043
 

3. 患者モニタリングを実施する医療機器の概要
販売名:S-ICDパルスジェネレータ
一般的名称:自動植込み型除細動器
承認番号:22700BZX00132000
製造元の名称及び国名:ボストン・サイエンティフィック コーポレーション、米国
使用目的:本パルスジェネレータは、心室性頻拍性不整脈による心臓突然死の危険性の高い患者に適用される植込み型除細動器(ICD)である。本パルスジェネレータは、皮下植込み型電極(リード)と併用することにより心電図(ECG)を監視し、頻拍を検出する。頻拍を検出した場合には、除細動機能により除細動ショック治療を行う。ただし、症候性徐脈、抗頻拍ペーシングが有効な心室性頻拍性不整脈が自発的かつ頻回に発現する患者を除く。
なお、本装置には MRI 保護モードを有するモデルが含まれており、MRI使用条件に適合する場合にのみ限定的に MRI 検査を行うことが可能となる機器である。
 

4. 患者モニタリングの対象
(1)製品番号
モデル:A209
シリアル:
105118 107001 109935 110448 110930 111418 111532 111969 112133 112312 112429 112816 113015 114312 114700 116022 117494 117566 117603 117621 117662 117670 117672 117686 117698 117835 117836 117838 117932 118041 118187 118301 118373 118416 118420 118492 118493 118521 118545 118548 118624 118670 118674 118800 118985 119016 119093 119150 119176 119182 119194 119197 119206 119381 119600 119659 119666 120066

モデル:A219
シリアル:
203403 203605 206007 206042 206409 206439 210763 210830 210845 211780 212093 214570 214599 214626 214627 214631 214633 214639 214643 214644 214646 214655 214685 214798 214873 215317 215365 215369 215391 215470 215483 215576 215692 215697 218076 218110 218140 218262 218370 218719 219404 219409 219675 219808

(2)出荷時期:平成28年1月27日~平成30年2月23日
(3)出荷数量:102台
(4)患者モニタリング開始日:令和2年12月3日
 

5. 背景
S-ICDにおいて、除細動治療に関連して発生した電気的過負荷によってヘッダ内部部品の損傷が発生した事象が、海外で6件確認されました。海外製造元における調査の結果、特定の時期に製造されたS-ICDの一部において、ヘッダの製造工程におけるばらつきに起因して、経時的にヘッダ部分に微細な間隙が形成され、間隙からの水分の侵入によって除細動治療の出力中に回路の損傷を引き起こす可能性が確認されました。
本事象が発生した場合、必要な除細動治療ができない可能性が完全には否定できないため、本事象が発生する可能性のあるS-ICDが植込まれている患者様について、医療機関に対して治療方針の確認や定期的なフォローアップの実施などをお願いすることといたしました。
なお、本事象が発生する可能性がある製品は、上記の期間に出荷された製品の一部となります。現在流通し、今後新たに植込まれる製品においては本事象が発生する可能性はございません。
 

6. 危惧される健康被害
電気的過負荷によるヘッダ内部部品の損傷が発生した場合、除細動ショックを送出できなくなることによって不整脈治療が行われず、重篤な健康被害に至る可能性を完全には否定できません。
しかしながら、現時点までに海外で本事象が発生した6件においては医師の判断によってS-ICD交換が行われ、健康被害には至っておりません。国内において本事象の発生は報告されておりません。
なお、S-ICDに不具合が発生している場合は、プログラマあるいはLATITUDE遠隔モニタリングシステムでS-ICDと通信できない事象や、エラーまたはアラートの発生によって検知できます。
 

7. その他
全本製品の出荷先についてはすべて把握しているため、医療機関に情報提供を行うと共に、植込まれた患者様に対するフォローアップをお願いしております。
 

8. 本件に関するお問い合わせ先
ボストン・サイエンティフィック ジャパン株式会社
東京都中野区中野4-10-2 中野セントラルパークサウス
信頼性保証本部 長倉悠太、武田邦子
TEL 03-6853-7090
FAX 03-6853-7380

報道関係者向け
担当者氏名 コーポレートコミュニケーションズ&ブランディング部
川端(携帯)070-1446-2442
E-mail reiko.kawabata@bsci.com
池田(携帯)080-4207-8857
E-mail atsushi.ikeda@bsci.com

お客様および患者様向け
電話番号 0120-033-686
(月~金 9:00 – 17:00(祝日・弊社休業日除く))
E-mail Japan.LATITUDE@bsci.com