2012-05-11

経口抗凝固剤療法が不適応の心房細動患者を対象とした革新的なWATCHMAN®デバイスの試験において脳卒中リスクが75%低下

(このプレスリリースは、2012年5月11日に米国ボストン・サイエンティフィック社が発表したプレスリリースを翻訳したものです。2012年5月11日時点で、当該製品は日本において未承認品です。) 

ボストン・サイエンティフィック社の左心耳閉鎖術用デバイスを評価するASA Plavix試験の結果を米国不整脈学会学術集会で発表

ボストン・サイエンティフィック社(本社:マサチューセッツ州ネイティックおよびボストン、NY証券取引所略号:BSX)は本日(2012年5月11日)、WATCHMAN®左心耳閉鎖術(LAAC)用デバイスに関して研究したASA Plavix(ASAP)試験の結果を発表しました。ワルファリンのような経口抗凝固剤が禁忌の心房細動を有する患者さんにおいて、虚血性脳卒中のリスクが75%低下したことが試験のデータから明らかになりました。ニューヨークにあるマウントサイナイ医療センターの不整脈センターの責任者であり、本試験の治験調整医師であるバイベック・レディー医師は、本日、ボストンで開催されている第33回米国不整脈学会年次学術集会のレイトブレイキングセッションで試験結果について発表しました。

前向き多施設共同試験であるASAP試験では、WATCHMANデバイスを留置し二剤併用抗血小板療法を受けたワルファリン禁忌の患者さん150人を、施術後6ヵ月間観察し評価しました。平均追跡期間は14.4ヵ月でした。この試験では、心房細動を有する患者さんにおける脳卒中リスクを推定するための臨床的予測ツールとして、広く認識されているCHADS2リスク分類スコアを採用しました。CHADS2スコアはこれまで多数の試験でその妥当性が実証されており、通常、抗凝固療法を必要とするのか、または抗血小板薬療法を必要とするのか判断する際に用いられます。

「WATCHMANは、最も多くの臨床試験実績を持つLAA閉鎖術用デバイスで、WATCHMANに関するさまざまな前向き試験には現在2,000人以上の患者さんが登録され、約4,000患者・年の追跡調査が行われています」とボストン・サイエンティフィック社のグローバル最高医療責任者であるキース・ドーキンス医師は述べています。また、「この新規デバイスは、30ヵ国以上で受け入れられており、経口抗凝固剤による長期治療に代わる安全かつ有効な治療法として使用されています」とも述べています。

心房細動は、心臓が規則的に拍動し血液を効率的に送り出す能力に影響する障害で、全世界で約1,500万人の健康に影響を及ぼしています。心房細動のある患者さんでは、左心耳(LAA)に形成された血栓が移動するため、脳卒中リスクが高くなります。ワルファリンなどの抗凝固剤は、従来からこうした患者さんの脳卒中リスクを低減する唯一の治療法でした。ボストン・サイエンティフィック社の経皮的アプローチによるWATCHMANデバイスは、抗凝固療法が適応となる患者さんにおいて長期的な抗凝固療法に代わる治療法として使用されます。WATCHMANデバイスは、LAAを閉鎖し、それにより脳卒中を引き起こす可能性のある心耳内での血栓の形成および血栓の血流中への移動を防ぐよう設計されています。

「ASAP試験の試験結果は有望なものでした。WATCHMANデバイスを用いたLAA閉鎖術により、この患者集団における虚血性脳卒中の予測リスクが有意に低下しました」とレディー医師は述べています。「これらの試験結果は非常に目覚しく、脳卒中リスクを低減するための薬剤の選択肢が限られている高リスク患者にとって、デバイスを用いた方法は、効果的な治療選択肢として期待できます」とも述べました。

ASAP試験に登録している患者さんのベースライン時の平均CHADS2スコアは2.8、虚血性脳卒中の予測リスクは7.1%/年でした。WATCHMANデバイスを植込まれた患者さんにおいて観察された虚血性脳卒中の発症率は1.7%/年で、CHADS2スコアに基づいた脳卒中の予測発症率(P<0.01)と比較して75%低下しました。対応する信頼区間の上限の脳卒中発症率は4.4%/年で、脳卒中の予測発症率の7.1%より低かったことが示されました。

ASAP試験における脳卒中の発症率は、ワルファリンが禁忌でない同様の患者集団を対象にWATCHMANデバイスを評価したPROTECT‐AF試験で観察された脳卒中の発症率と同等でした。707人の被験者を対象とした多施設ランダム化比較試験PROTECT‐AFにおいて、WATCHMANデバイスによる療法のワルファリン治療に対する非劣性が証明され、また、脳卒中、心臓血管系による死亡、および全身性塞栓症などの複合評価基準における相対リスクが、長期にわたるワルファリン治療と比べ38%低下することが明らかになりました。

WATCHMANデバイスは、2009年、欧州およびその他のCEマーク採用国での販売が承認されました。ボストン・サイエンティフィック社は現在、米国食品医薬品局(FDA)の承認取得を目指し、検証的試験であるPREVAIL試験で米国人症例を登録中です。この症例登録は、2012年の第2四半期に完了する予定です。WATCHMANデバイスは、抗凝固療法が不適応の患者に対しては禁忌です。米国において、WATCHMANデバイスは臨床試験用医療機器の扱いで、適用法により研究目的の使用に制限されており市販はされていません。本製品は、2011年3月にボストン・サイエンティフィック社が買収したAtritech社により開発されました。詳しくは、ウェブサイトwww.Atritech.net をご覧ください。

第33回米国不整脈学会年次学術集会でのボストン・サイエンティフィック社に関する更なる情報は、ボストン・サイエンティフィック社のツイッター(Twitter @BostonSci)をフォローしてください。

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ボストン・サイエンティフィック社(米国マサチューセッツ州)は、最先端メディカルデバイス(医療機器)の開発・製造・販売を行うグローバル企業です。インターベンション(身体をメスで大きく切らない治療)の分野では世界最大手。
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