2019-2-28

前立腺肥大症治療用レーザシステム「GreenLight XPS」新発売
~エネルギー効率と耐久性の向上により手術時間の短縮と術者の負担軽減に貢献~

ボストン・サイエンティフィック ジャパン株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:内木祐介)は、前立腺肥大症の外科的治療に用いる、高出力の532nm(ナノメートル)緑色可視光レーザシステムの新型となる「GreenLight XPS™」の日本における取り扱いを開始いたしました。

本レーザシステムは高出力のレーザ発生装置(コンソール)と専用のレーザガイド用プローブ(ファイバー)から構成され、前立腺肥大症の治療に対する外科的治療の1つであるPVP(光選択的前立腺レーザ蒸散術)を行うことができます。

PVPでは、内視鏡(膀胱鏡)を用いて経尿道的に肥大した前立腺へアプローチし、高出力緑色可視レーザ光を照射して、肥大により尿道を圧迫している前立腺組織を加熱・蒸散させることで尿路のつまり(閉塞)を取り除きます。
PVPに用いる532nmの緑色可視レーザ光は血液中のヘモグロビンに選択的に吸収され、効率的に肥大した前立腺の腺腫を蒸散させることができるため、PVPは出血のリスクが少なく、抗凝固剤使用下においても服薬を休止等せずに安全に施行することが可能です*1(日本泌尿器科学会ガイドライン:推奨グレードA)。
また、勃起障害(ED)などの性機能障害に影響せず*1、逆行性射精などの射精障害の発生頻度を抑制させることができるため*1,2、すでに世界で90万例以上の実績があります*3

本製品では、従来品に比べて緑色レーザの出力性能が向上し照射面積が1.5倍になります。また、専用ファイバの改良により耐久性が向上し、手技中の失透(ファイバ先端部の劣化)を抑えることでエネルギーを効率的に伝送することができ、手術時間の短縮と、より大きな前立腺肥大症の症例における術者の負担を軽減することが期待されます。

販売名:GreenLight XPSコンソール(医療機器承認番号: 23000BZX00307000)
    GreenLight XPSファイバー(医療機器承認番号: 23000BZX00306000)

2005年に初めて日本でこのPVPを開始し、これまでに約1,700例の実績を有する名古屋セントラル病院の泌尿器科 科長 黒松 功 先生は「PVPは出血が少なく、手術翌日にはカテーテル抜去も可能となる患者さんの負担が少ない治療法です。従来品よりエネルギー効率や耐久性が向上したGreenLight XPS™の導入により、100gを超える大きな前立腺にもストレスなく施術できることが期待でき、患者さんのQOL向上にさらなる貢献ができることを嬉しく思います」とコメントされています。

 

■製品特長

  • 手術効率を追求したスピード性能

GreenLight XPSファイバーは従来品と比較して照射面積が50%広くなるため、従来よりも高効率でスピーディーな手術を実現します(図1)。また、自己冷却式の専用ファイバを用いることで蒸散効率が向上し、従来と同じ照射時間でも2倍以上の腺腫を除去することができます(図2)。また1本のファイバで120g以上の前立腺にも対応可能です。


図1:従来品(左)との組織蒸散量の比較

図2:従来品との蒸散効率の比較
  • ファイバの耐久力を向上

メタルキャップによるファイバ先端の保護およびファイバ内部での自己冷却、FiberLife機能により、従来から耐久性も大幅に向上しました。失透(高温を原因とする手技中のファイバの劣化)も防ぐことができ、安心して手技を行うことができます。

  • 信頼と実績の安全性

GreenLight XPS™は、従来システムと比較してスピード性能は上がっても、蒸散深度は同等のため、熱凝固による排尿障害などの合併症リスクも少なく、これまで築き上げられたPVP術式の安全性を犠牲にすることなく、より広く効率的な蒸散が可能となります。

 

■前立腺肥大症について

前立腺重量は加齢に従って増加し、組織学的な前立腺の肥大は80歳代では約90%にみられます。
前立腺肥大症(BPH)は、前立腺の良性過形成による下部尿路機能障害を呈する疾患で、通常は前立腺腫大と膀胱出口部閉塞を示唆する下部尿路症状(夜間頻尿、昼間頻尿、尿勢低下、残尿感、尿意切迫感など)を伴います。*1
BPHの主な治療法には、薬物療法のほか、光選択的前立腺レーザ蒸散術(PVP)、経尿道的前立腺切除術(TURP)、ホルミウムレーザ前立腺核出術(HoLEP)といった手術療法などがあります。

 

(出典)

*1: 男性下部尿路症状・前立腺肥大症診療ガイドライン(2017, 日本泌尿器科学会/編)

*2: Elshal AM, Elmansy HM, Elkoushy MA, Elhilali MM. Male sexual function outcome after three laser prostate surgical
      technique: a single center perspective. Urology 2012; 80: 1098-1104

*3: 弊社販売実績

 

ボストン・サイエンティフィックについて

ボストン・サイエンティフィックは、低侵襲治療(インターベンション)に特化した医療機器メーカーとして、1979年に米国で誕生しました。現在の取扱製品は13,000種以上であり、グローバルで約29,000名の従業員、13ヵ所の製造拠点を擁し、125ヵ国近くのマーケットで確固たる地位を誇る世界最大級の医療機器メーカーとして、医療テクノロジーをリードし続けています。

世界第2位の医療機器市場である日本においては、心血管疾患領域をはじめ、不整脈・心不全疾患領域、末梢血管疾患、消化器疾患、泌尿器疾患、婦人科疾患領域、疼痛管理・パーキンソン病の治療領域で、患者さんの人生を実り多いものにすることに全力で取り組み、日本の医療に意義のあるイノベーションを起こしていきます。

企業サイト:https://www.bostonscientific.jp

 

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