2025-9-4

【AIがもたらす医療の変革―ウォール・ストリート・ジャーナル広告特集記事より】

 
AIによる医療の変革が既に始まっています
診断の迅速化や治療のシンプル化、ケアの個人最適化―AIが医学の未来を切り開いています
 
Boston Scientific
Senior Vice President and Global Chief Medical Officer
Dr. Kenneth Stein
 
たとえば、こんな状況を想像してみてください。心不全の危機が迫っているにも関わらず、本人はまだその兆候に気づいていません。実際に心不全が発症するのは1ヵ月後ですが、微細なバイオリズムの変化を検知したAIのアルゴリズムが、即座にアラートを発信。その通知を受けた医師の迅速な対応により、重大な事態を未然に防ぐことができました。
また、別の例では、冠動脈がほぼ完全に閉塞し、命を救うには迅速で精密な血管内手術が必要なケースがありました。このとき、AIを活用した画像診断ツールが閉塞部位を正確に可視化し、最適な治療方針へ導いたことで、医師は確信を持って処置を実施できたのです。
私が心臓専門医として診療に携わっていた頃には、こうしたテクノロジーはまだ夢の話にすぎませんでした。しかし、今ではこれらはすでに現場で実現している「AIによる医療改革」のほんの一例にすぎません。ボストン・サイエンティフィックでは、すでに10年近くAIを医療テクノロジーに応用しており患者一人ひとりに最適なケアの提供、事前介入によるリスクの低減、最新の医学的知見の迅速な応用など、AIが果たす役割はますます広がっています。
データ活用による緊急事態の予測と予防
今この瞬間にも、私たちの体内や体表に装着されたさまざまな医療機器から、膨大な健康データがリアルタイムで送信されています。たとえば、アメリカの成人の約3人に1人は、スマートウォッチやスマートバンドで健康状態を日々トラッキングしており*1、生涯のうちで10人に1人が何らかの医療機器を体内に埋め込まれた経験を持っています*2。これらのデバイスが収集するデータは、クラウドに蓄積されることで、かつてない規模での分析が可能になります。そしてAIは、このビッグデータを実用的なインサイトへと変換する力を持っているのです。
例えば、ボストン・サイエンティフィックのHeartLogic™は、植込み型デバイス用の予測分析アラートシステムとして初めて米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けました。
手術精度の飛躍的な向上に向けて
心臓病はアメリカにおける死因の第1位であり、その中でも最も多いのが冠動脈疾患です。そして残念ながら、この疾患は増加傾向にあります*3。こうした状況においても、AIはすでに、医師が命を救う治療を提供するための支援を始めています。ここでは、複雑でありながら一般的な手技をガイドする形で役立っています。
「アンギオプラスティ」としても知られる経皮的冠動脈インターベンション(PCI)は、プラークで詰まった動脈を再び開通させる治療法です。非常に高い精度が求められ、精度が不十分な場合には、動脈が再び閉塞し、再手術が必要になることがあります。実際、約10例に1例は1年以内に再治療が行われています*4。これまで医師はX線画像を頼りに手技を行ってきましたが、その視認性は十分ではなく、「目隠し飛行」にたとえられることさえあります。
PCIにおける「勘」に頼る部分を減らす、詳細な画像を提供する新たな専門的イメージングツールが開発されています。これにより、患者さんのアウトカムを改善し、再治療の必要性や心筋梗塞、死亡率を低減できる可能性があります。
 
ボストン・サイエンティフィックは今後も、安全性と患者さんのアウトカム改善に焦点を当てながら、医療分野でのAI活用を探求していきます。AIは、これまでの「反応型医療」から「先制型・予測型医療」へと進化を後押しし、質の高いケアをさらに広げてくれる可能性があります。もちろん、AIが人間の医師に取って代わることはありません。しかし、AIを活用することで、私たちが医療の世界を志した当初の目的―患者さんを共感と洞察をもって注意深くケアし、人生をより良くすること―を、より確実に実現できると信じています。
 
1. “Study Finds People Who Need Wearable Health Devices the Most Use Them the Least,” American Heart Association, October 2022.
2. “Implantable Material and Device Regulation,” AMA Journal of Ethics, Sept 2021.
3. “Heart Disease Facts,” The Centers for Disease Control and Prevention, October 2024.
4. Stolker, Joshua M., and David J. Cohen et al. “Repeat Revascularization After Contemporary Percutaneous Coronary Intervention: An Evaluation of Staged, Target Lesion, and Other Unplanned Revascularization Procedures During the First Year,” Circulation: Cardiovascular Interventions, December 2012.
 
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※本記事は、米国 The Wall Street Journal に掲載されたボストン・サイエンティフィック提供の広告特集記事の日本語抄訳です。
※日本語訳は、ボストン・サイエンティフィック ジャパン(株)が原文の内容を尊重しつつ、抄訳・再構成したものです。