2013-06-18

VERCISE™ DBSシステムによるパーキンソン病患者の運動機能の改善を実証

(このプレスリリースは、2013年6月18日に米国ボストン・サイエンティフィック社が発表したプレスリリースを翻訳したものです。当該製品は、2013年6月18日時点で日本において未承認品です。) 

シドニーで開催中の国際パーキンソン病・運動障害疾患学会においてVANTAGE臨床試験の中間データを発表

ボストン・サイエンティフィック社(本社:マサチューセッツ州ネイティック、NY証券取引所略号:BSX)は本日(2013年6月18日)、VANTAGE臨床試験の中間データにより、VerciseTM脳深部刺激(DBS)装置を使用するパーキンソン病の患者さんにおいて、運動能力スコアが有意に改善されたことが実証されたと発表しました。このVANTAGE臨床試験に登録した最大40名までの患者さんに関する6ヵ月間の追跡データは、オーストラリアのシドニーで開催中の国際パーキンソン病・運動障害疾患学会年次集会において、ドイツのケルン大学病院のラルス・ツィンマーマン教授によって発表されました。

Vercise DBS装置は、電極ごとに個別の電流制御ができる機能が組み込まれ、脳の標的部位を選択的に刺激するよう設計されており、医師が刺激を微調整できるようになっています。

VANTAGE臨床試験の予備解析結果から、植込み後6ヵ月時点でのUPDRS III1を用いた評価による運動機能において、ベースライン時と比較して平均60%の改善が示されました。ボストン・サイエンティフィック社のスポンサーによるこの臨床試験では、レボドパ反応性の中等症から重症の特発性パーキンソン病の治療のために植込み式Vercise DBSシステムを使用して脳の視床下核(STN)へ両側性刺激を与え、そこから得られる有効性、安全性および医療経済的データを含む患者さんの転帰の記録を目的としてデザインされています。Vercise DBSシステムは、欧州の6施設において40名のパーキンソン病の患者さんに対し、左右両側性に植え込まれました。

「運動機能にこのような有意な改善が認められたことを嬉しく思います」と、VANTAGE臨床試験の神経外科学担当共同責任医師であり、オーストリアのウィーン大学病院定位・機能神経外科学科のフランソワ・アレッシュ教授は語っています。また「この複数の電極をもつ独自のテクノロジーにより、DBS装置を用いた治療法がより適応性の高い技術になると確信しています。シンプルな充電システムも大変気に入っています。私が治療したすべての患者さんにおいて、問題なく充電を行うことができました」とも語っています。

VANTAGE臨床試験の中間データの要旨:

  • 参加者全40名において、Vercise DBS装置の植込みに成功しました。
  • Vercise DBS装置の使用により、最初のリード植込み後6ヵ月時点でのUPDRS III1を用いた評価による運動機能において、ベースライン時と比較して有意な改善(平均60%、p<0.0001)が示されました。
  • 6ヵ月時点での在宅運動記録、日常生活の動作2およびQOL測定3の予備解析結果から、Vercise DBS装置により、患者さんのON時が改善されることが示唆されました。
  • Vercise DBS装置の充電は全参加者から良好に受け入れられました。

「これらのデータにより、医師は自信を持ってVercise DBS装置を植え込む決定を下すことができます」と、VANTAGE臨床試験の神経学担当共同責任医師であるラルス・ツィンマーマン教授は語っています。また「脳の特定部位を選択的に刺激するために個別の電流制御ができる機能によって、パーキンソン病の患者さんの転帰が改善される可能性があります。VANTAGE臨床試験の今後の長期的な結果を楽しみにしています」とも語っています。

「VANTAGE臨床試験は、ボストン・サイエンティフィック社のDBSプログラムにおいて主要な役割を担い、Vercise DBS装置を使った臨床研究を通じて治療法を進化させる私たちの取り組みを強調するものです」とボストン・サイエンティフィック社のニューロモジュレーション事業部社長のモーリック・ナナバティは述べています。また「運動能力スコアにおいて有意な改善が認められたことは、Vercise DBS装置の有効性の証拠となります。私たちは今後も、患者さんの転帰を改善する革新的テクノロジーを開発する努力を続けてまいります」とも述べています。

Vercise DBS装置は、CEマークおよびTGA(オーストラリア保健省薬品・医薬品行政局)の承認を取得し、欧州、イスラエルおよびオーストラリアで販売されています。米国では、Vercise DBS装置は研究段階であるため、市販はされていません。

パーキンソン病は進行性の神経変性疾患であり、WHO(世界保健機関)およびパーキンソン病基金によると、米国で約100万人、全世界で700万人から1,000万人の患者さんが罹患していると推計されています。

1 パーキンソン病統一スケール パートIII(Unified Parkinson’s Disease Rating Scale part III; UPDRS III)
2 UPDRS IIを用いた評価による
3 QOL評価はパーキンソン病質問票(PDQ-39)による

ボストン・サイエンティフィック社は植込み型DBSテクノロジーのイノベーションリーダーです。本装置には革新的なテクノロジーが採用され、医師が刺激を微調整できるよう設計されています。テクノロジー、臨床開発、および国際的なサービスへの投資を通じ、ボストン・サイエンティフィック社は、医師および患者さんのために「Making life smootherTM」の理念を実現することを使命としています。

将来予測に関する記述についての注意事項

このプレスリリースには、証券法(1933年制定)第27A条および証券取引法(1934年制定)第21E条の意味するところの将来予測に関する記述が含まれています。「予期する」「期待する」「予想する」「信じる」「計画する」「推定する」「意図する」などの語句を用いた表現が将来予測の記述となりますが、これらの記述は現時点で得られた情報による確信、想定、推定に基づくものであり、将来の事象や実施を保証することを意図するものではありません。将来予測の記述には、事業計画、製品市場、テクノロジーとその重要性、製品性能および競争入札などに関する記述なども含まれます。基本的前提が結果的に不正確であった場合、もしくは一定のリスクや不確実な要素が具体化するような場合には、将来予測に関する記述で明示または含意された見込みおよび予測と実際の結果が大幅に異なる可能性があります。これらの要因は、事業戦略の実施能力に対して実際に影響している場合や、将来的に他の要因が加わって実施能力に影響を及ぼす可能性があり、本プレスリリースの記載で予期した結果と実際の結果が大幅に異なる状況をもたらすことがあります。そのため、本プレスリリースの読者は将来予測に関する記述について全面的に依拠することを避けるよう注意してください。

このような相異をもたらす要因には、将来の経済状況、競合、償還および規制の諸条件、新製品の導入、人口統計学的動向、知的所有権、訴訟、金融市況、ボストン・サイエンティフィック社および競合他社の将来的な経営上の意思決定などがあります。これらの要因すべてを正確に予測することはほとんど不可能であり、また、多くは制御できません。当社の将来的な経営に影響する可能性のある要因ならびにその他の重大なリスクに関する概要および詳細な一覧については、証券取引委員会に提出した、最新の10-K年次報告書パートI 1A項目「危険因子」を参照してください。なお、この内容は、提出済みまたは提出予定の10-Q四半期報告書パートII 1A項目「危険因子」で更新されることがあります。ボストン・サイエンティフィック社は、見込みの変更やその根拠となる事象、条件、状況の変化など、将来予測の記述に記載された内容と実際の結果が異なる可能性に影響を及ぼすような変化について、それらを反映するように将来予測に関する記述の内容を公に更新または改訂する意思および義務を一切否認します。本注意事項は本稿に記載された将来予測に関するすべての記述に適用されます。

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<ボストン・サイエンティフィック社について>

ボストン・サイエンティフィックは、世界中の患者さんの健康状態を改善するために、革新的な治療法を提供し、患者さんの人生を実り多いものとすることに全力で取り組んでいます。過去30年以上にわたり世界の医療テクノロジーをリードし続けるグローバル企業として、「we advance science for life」の言葉を胸に、画期的な治療法を通じて様々な疾患に苦しむ患者さんや、医療体制の生産性向上にも貢献しています。詳細はホームページをご覧ください。
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