2018-10-5

ボストン・サイエンティフィック、薬剤溶出型末梢血管用のELUVIA™ステントが IMPERIAL試験において優れた結果を実証
初の直接比較試験において、大腿膝窩動脈患者のインターベンション治療における 持続的な薬剤放出の有効性を評価

(このプレスリリースは、2018年9月22日に米国ボストン・サイエンティフィック社が発表したプレスリリースを翻訳したものです。)

ボストン・サイエンティフィック(本社:マサチューセッツ州マールボロおよびカリフォルニア州サンディエゴ、NY証券取引所略号:BSX)は本日(2018年9月22日)、初の浅大腿動脈(SFA)薬剤溶出型ステント直接比較試験(IMPERIAL臨床試験)において、12ヵ月にわたって望ましいデータが得られたと発表しました。この結果は、第30回心臓血管カテーテル治療学会(TCT)の最新臨床試験セッション、サンディエゴで開催された心臓血管研究財団の年次科学シンポジウム、およびポルトガルのリズボンで開催された欧州血管放射線医学学会(CIRSE)年次会議において同時発表されました。臨床結果は、『ランセット』誌で発表されます。

IMPERIAL試験では、薬剤溶出型のELUVIA™ステントと薬剤溶出型のZilver ®PTX ®ステントの効果を、末梢動脈疾患(PAD)の症状を示す患者において評価しました。PADは、動脈硬化の原因となるプラークと呼ばれる脂質または石灰化した物質が下肢の動脈壁に堆積して血管が狭くなることで血流が制限され、下肢の痛みや腫れ、潰瘍を引き起こし、重篤化すると患肢の切断が必要になることもあります。血流を回復・維持させるためにステントが使用されることが多く、症状の軽減や生活の質(QOL)の改善につながります。

IMPERIAL試験において、パクリタキセルの持続的な溶出を実現する薬剤とポリマーを組み合わせた薬剤溶出型のELUVIA™ステントは優れた一次開存率を示しました。一次開存率とは、下肢への血流再開を示す重要な指標です1。試験でELUVIA™ステント治療群の患者さんは、標的病変の血行再建(TLR)を行わずにすむ割合が高くなり、薬剤コーティング型のZilver ® PTX ®ステントによる治療を行った患者さんと比較すると、12ヵ月の時点で再処置を施す必要性が低減しました。IMPERIAL試験の重要所見には以下が含まれます。

  • ELUVIA™ステント治療群の患者さんは一次開存率が88.5%で、Zilver® PTX ®ステント治療群の患者さんの79.5%と比較すると、統計的に有意な違いが認められました(p=0.0119)2
  • データによると、ELUVIA™ステント群の血行再建実施率は、Zilver ® PTX ®ステントの治療群で観察された9.0%と比較して半分の4.5%でした。
  • 処置後1年の時点で主要有害事象が発生していない割合が、Zilver ® PTX ®ステント治療群の患者さんにおいては91%であったのに対し、ELUVIA™ステント治療群の患者さんでは95%以上でした。

 

非営利団体Main Line Healthの心血管疾患部門システムチーフ兼ペンシルバニア州ウィンウッドのLankenau Heart Institute所長であり、IMPERIAL試験の共同治験責任者を兼任するウィリアム・グレイ医師は次のように述べています。「こうした素晴らしい臨床結果は、ELUVIA™ステントによるパクリタキセルの持続的溶出が、数ヵ月後に起こり得る浅大腿動脈の再狭窄のタイミングとうまく適合し、再治療の必要性を低減させることを示唆しています」。「こうした結果を踏まえると、浅大腿動脈または近位部膝窩動脈硬化の患者さんの治療時には、ELUVIA™ステントは好ましい治療の選択肢となり得ると私たちは確信しています」。

IMPERIAL試験は国際的な多施設無作為化対照試験で、浅大腿動脈(SFA)および近位部膝窩動脈(PPA)に最長140 mmの病変を有する465名の患者さんを対象としています。末梢動脈疾患(PAD)の治療において、二つの異なる薬剤溶出型ステントシステムを比較した初の直接比較試験です。

ボストン・サイエンティフィック社のエグゼクティブ・バイスプレジデント兼グローバル・チーフ・メディカル・オフィサーであるイアン・メレディス医師は次のように述べています。「IMPERIAL試験の結果は、浅大腿動脈疾患という最も困難な症状に苦しむ患者さんに対する一次(フロントライン)治療の選択肢としてELUVIA™ステントが有効であるという根拠をさらに裏付けるものになりました」

ELUVIA™ステントシステムは2016年2月にCEマークを取得しました。米国においてELUVIA™ステントシステムは治験デバイスであり、市販されておりません。

  1. 事後優位性解析において、優位性が確認された。12ヵ月後の一次開存率がELUVIA™ステント治療群では86.8%であったのに対し、Zilver® PTX ®ステント治療群では77.5%であった(p = 0.0144)。
  2. カプラン・マイヤー推定法
 

ボストン・サイエンティフィック社について

ボストン・サイエンティフィックは、低侵襲治療(インターベンション)に特化した医療機器メーカーとして、1979年に米国で誕生しました。現在の取扱製品は13,000種以上であり、グローバルで約29,000名の従業員、13ヵ所の製造拠点を擁し、125ヵ国近くのマーケットで確固たる地位を誇る世界最大級の医療機器メーカーとして、医療テクノロジーをリードし続けています。

世界第2位の医療機器市場である日本においては、心血管疾患領域をはじめ、不整脈・心不全疾患領域、末梢血管疾患、消化器疾患、泌尿器疾患、婦人科疾患領域、疼痛管理・パーキンソン病の治療領域で、患者さんの人生を実り多いものにすることに全力で取り組み、日本の医療に意義のあるイノベーションを起こしていきます。
https://www.bostonscientific.jp

 

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