2012-10-31

新開発の生体吸収性ポリマーコーティングを採用したプラチナクロム製エベロリムス溶出型冠動脈ステントシステムがCEマークの承認を取得

(このプレスリリースは、2012年10月31日に米国ボストン・サイエンティフィック社が発表したプレスリリースを翻訳したものです。当該製品は、2012年10月31日時点で日本において未承認品です。)

術後3ヵ月の薬剤溶出直後に革新的生体吸収性ポリマーコーティングの完全吸収に初めて成功

ボストン・サイエンティフィック社(本社:マサチューセッツ州ネイティック、NY証券取引所略号:BSX)は本日(2012年10月31日)、超薄型の生体吸収性ポリマーが血管壁側(外側)だけにコーティングされていることを特徴とする同社のプラチナクロム製SYNERGYTMエベロリムス溶出型冠動脈ステントシステムがCEマークの承認を取得したと発表しました。SYNERGYステントは、ボストン・サイエンティフィック社の薬剤溶出型ステントテクノロジーにおける最新のイノベーションです。SYNERGYステントは、独自開発のPLGAポリマーおよび薬剤エベロリムス・コーティングが留置後3ヵ月までに消失するという特徴があります。このイノベーションにより、留置後の血管の治癒が改善される可能性があり、また遠隔期有害事象の原因となる長期的なポリマーとの接触が回避されます。

「SYNERGYステントでは薬剤の溶出とポリマーの吸収が同時に起こり、ステント留置後約3ヵ月後には完了します」と、オーストラリア・メルボルンのモナッシュ医療センター心臓科部長であり、EVOLVE臨床試験の治験責任医師を務めるイーアン・メレジス医学外科学教授は語っています。 また「このきわめて優れた技術の進歩により、既存の非分解性ポリマーを使用したDESと比較し、長期的安全性および有効性が改善されるだけでなく、おそらく長期的な2剤併用抗血小板療法の必要性も低減されるでしょう」とも語っています。

SYNERGYステントのタイムリーなコーティングの吸収は、ボストン・サイエンティフィック社が先進的コーティングテクノロジーを駆使して、薬剤とポリマーの理想的な組合せを信念を持って生み出すために行われた7年間におよぶ研究開発の結果です。

「この革新的なコーティングに加えて、SYNERGYステントは、ボストン・サイエンティフィック社独自のプラチナクロム合金に加えて薄型ストラット、高度な視認性および極めて低いクロッシングプロファイルを可能にした先進的ステント設計を土台とし、より良いデリバリー性能を実現しています」と、ボストン・サイエンティフィック社インターベンショナル・カーディオロジー事業部社長のケビン・バリンジャーは述べています。また「私たちは、今回の試験結果により、このステントシステムが長期的なポリマーとの接触を回避し、最適な治癒を促進し、確実なデリバリー性能を提供する薬剤溶出型ステントの高品質な主力商品であることが実証されたと信じています」とも述べています。

SYNERGYステントの性能は、有効性の指標として血管造影検査の主要エンドポイントとされたステント内レイトロスにおいてボストン・サイエンティフィック社のPROMUS ElementTMステントに対して非劣性であることが証明された6ヵ月のEVOLVE試験の結果に基づく厳格な臨床試験プログラムによって裏付けられています。12ヵ月時点でのSYNERGYステントの標的病変の再血行再建術(TLR)の発生率は1.1%であり、またステント血栓症(ST)の発生率は0.0%でした。主試験であるEVOLVE II試験は、米国食品医薬品局(FDA)および日本の厚生労働省(MHLW)によるSYNERGYステントシステムの承認を目的として計画されており、本年中に症例登録が開始される予定です。EVOLVE II試験は、主要なグローバル多施設ランダム化比較試験(RCT)で、世界中の160施設において1,684例の患者さんが登録される予定です。ボストン・サイエンティフィック社では、2剤併用抗血小板療法の低減できる可能性について評価するための追加試験も行う予定です。

SYNERGYステントは全サイズとも、2013年初頭までに欧州およびその他の地域で発売される予定です。この限定発売により、SYNERGYステントシステムの新開発の生体吸収性テクノロジーについて、臨床的および経済的利点を裏付けるさらに多くのデータが得られるものと期待されています。SYNERGYステントのさらなる広範囲な発売は、2014年初頭に計画されています。

SYNERGYステントシステムは臨床試験用医療機器であり、法律により研究目的に使用に制限されており、現時点で米国および日本において市販されていません。

SYNERGYステントについて

SYNERGYステントは、生体吸収性PLGAポリマーを採用し、薬剤エベロリムスを組み合わせてステント外表面に薬剤を封入した、初期重量が軽く超薄型の均一なコーティングを実現した製品です。独自開発のPLGAポリマー構造により、3ヵ月の時点で薬剤の溶出が終了した直後にポリマーも完全に吸収され、プラチナクロム製のステント本体だけが血管内に残ります。このテクノロジーは、再狭窄率を従来の薬剤溶出型ステントと同等なレベルに抑えながら、ステント留置後の血管に、より迅速で完全な治癒が得られるように設計されたもので、術後の2剤併用抗血小板療法を必要とする期間の短縮が期待できます。SYNERGYステントは、独自開発のプラチナクロム合金と高度なステントデザインを取り入れ、高いコンフォーマビリティ、柔軟性、X線不透過性およびリコイルの抑制を実現しながら、これまで以上に薄いストラットと優れたデリバリー性能を提供します。

EVOLVE試験およびEVOLVE II試験について

EVOLVE試験は、プロスペクティブ、無作為化、単盲検試験であり、ステントの血管壁側(外側)だけに超薄型の生体吸収性ポリマーを塗布したSYNERGYステントが、ステントの全表面(内側および外側)に非分解ポリマーを塗布したPROMUS ElementTMステントに対して非劣性であるかどうかを評価します。この試験では291例の被験者が、標準用量SYNERGYステント群(エベロリムスの用量がPROMUS Elementと同じ)、1/2用量SYNERGYステント群(エベロリムスの用量がPROMUS Elementの1/2)または市販のPROMUS Elementステント群という3群のいずれかに無作為化されました。これら3つのステントはすべて同様の薬剤溶出プロファイルとなっています。EVOLVE II試験は、主要なグローバル多施設試験で、一対一の無作為化(SYNERGYステントとPROMUS Element Plusステント)を行うプロスペクティブ、単盲検、非劣性ランダム化比較試験(RCT)、同時的非無作為化薬物動態シングルアームサブ試験および非無作為化糖尿病シングルアームサブ試験から成ります。

将来予測に関する記述についての注意事項

このプレスリリースには、証券法(1933年制定)第27A条および証券取引法(1934年制定)第21E条の意味するところの将来予測に関する記述が含まれています。「予期する」「期待する」「予想する」「信じる」「計画する」「推定する」「意図する」などの語句を用いた表現が将来予測の記述となりますが、これらの記述は現時点で得られた情報による確信、想定、推定に基づくものであり、将来の事象や実施を保証することを意図するものではありません。将来予測の記述には、事業計画、新製品の上市と上市動向、薬事承認、臨床試験と臨床転帰、製品性能と市場への影響および競争入札などに関する記述なども含まれます。基本的前提が結果的に不正確であった場合、もしくは一定のリスクや不確実な要素が具体化するような場合には、将来予測に関する記述で明示または含意された見込みおよび予測と実際の結果が大幅に異なる可能性があります。これらの要因は、事業戦略の実施能力に対して実際に影響している場合や、将来的に他の要因が加わって実施能力に影響を及ぼす可能性があり、本プレスリリースの記載で予期した結果と実際の結果が大幅に異なる状況をもたらすことがあります。そのため、本プレスリリースの読者は将来予測に関する記述について全面的に依拠することを避けるよう注意してください。
このような相異をもたらす要因には、将来の経済状況、競合、償還および規制の諸条件、新製品の導入、人口統計学的動向、知的所有権、訴訟、金融市況、ボストン・サイエンティフィック社および競合他社の将来的な経営上の意思決定などがあります。これらの要因すべてを正確に予測することはほとんど不可能であり、また、多くは制御できません。当社の将来的な経営に影響する可能性のある要因ならびにその他の重大なリスクに関する概要および詳細な一覧については、証券取引委員会に提出した、最新の10-K年次報告書パートI 1A項目「危険因子」を参照してください。なお、この内容は、提出済みまたは提出予定の10-Q四半期報告書パートII 1A項目「危険因子」で更新されることがあります。ボストン・サイエンティフィック社は、見込みの変更やその根拠となる事象、条件、状況の変化など、将来予測の記述に記載された内容と実際の結果が異なる可能性に影響を及ぼすような変化について、それらを反映するように将来予測に関する記述の内容を公に更新または改訂する意思および義務を一切否認します。本注意事項は本稿に記載された将来予測に関するすべての記述に適用されます。

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<ボストン・サイエンティフィック社について>

ボストン・サイエンティフィック社(米国マサチューセッツ州)は、最先端メディカルデバイス(医療機器)の開発・製造・販売を行うグローバル企業です。インターベンション(身体をメスで大きく切らない治療)の分野では世界最大手。
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