2012-07-02

革新的なWATCHMANデバイスを検証するPREVAIL試験への症例登録を完了

(このプレスリリースは、2012年7月2日に米国ボストン・サイエンティフィック社が発表したプレスリリースを翻訳したものです。2012年7月2日時点で、当該製品は日本において未承認品です。)

心房細動患者の脳卒中リスクを軽減するデバイスの FDA承認申請を次の段階に進めるマイルストーン

ボストン・サイエンティフィック社(本社:マサチューセッツ州ネイティック、NY証券取引所略号:BSX)は本日(2012年7月2日)、WATCHMAN®左心耳閉鎖術(LAAC)用デバイスの米国食品医薬品局(FDA)による承認の取得を目的として設計された検証的試験であるPREVAIL試験への症例登録を完了したと発表しました。この無作為化前向き試験では、42の医療施設において407名の患者さんが登録され、長期的ワルファリン治療が適応となる心房細動のある高リスク患者さんにおけるWATCHMANデバイスを用いた治療およびワルファリン治療を比較します。FDAへの承認申請に当たっては、申請前に6ヵ月間の追跡調査を実施することが求められています。

「WATCHMANについては、同種のデバイスの中で最も多くの臨床試験が行われています」と、ニューヨークのマウント・サイナイ医療センター不整脈センターの責任者であり、PREVAIL試験の治験責任医師を務めるバイベック・レディー医師は語っています。また「WATCHMANには、心房細動のある患者さんの脳卒中リスクを軽減するための、革新的なデバイスを用いた安全で効果的な治療法を提供できる可能性があります」とも語っています。

PREVAIL試験の症例登録は、2010年11月に開始されました。患者さんは、WATCHMANデバイスを用いた治療または従来通りの長期的ワルファリン治療のどちらかに無作為に割り付けられました。WATCHMANデバイスを用いた治療を受ける群に選ばれた患者さんは、デバイス埋め込み後45日間、ワルファリンの服用を継続しました。

WATCHMANデバイスについては、これまで2,000人以上の患者さんにおいて4,000人年以上の追跡調査が行われています。WATCHMANに関するエビデンスベースの臨床プログラムには、PROTECT AF試験およびASA Plavix(ASAP)試験の2つのランドマーク試験が含まれています。707人の被験者を対象とした多施設無作為化比較試験であるPROTECT AF試験において、WATCHMANデバイスによる療法のワルファリン治療に対する非劣性が証明され、また、脳卒中、心血管亡、および全身性塞栓症などの複合評価基準における相対リスクが、長期にわたるワルファリン治療と比べ38%低下することが明らかになりました。また前向き多施設共同試験であるASAP試験のデータから、抗凝固剤療法が不適応でWATCHMANデバイスを埋め込んだ心房細動患者さんにおける虚血性脳卒中のリスクが77%低下したことが実証されました。

「WATCHMANはすでに30ヵ国で市販されています。PREVAIL試験の症例登録完了は、心房細動を抱えて生活しなければならない米国の患者さんにこの革新的療法を届けることを助ける重要なマイルストーンとなります」と、ボストン・サイエンティフィック社カーディアック・リズム・マネジメント事業部最高医療責任者であるケネス・スタインは述べています。また「私たちは、PREVAIL試験の結果および米国においてこの構造的心疾患領域に参入する機会を楽しみにしています」とも述べています。

WATCHMANは、ボストン・サイエンティフィック社が製造する新規のデバイスで、鼠径部の静脈から柔軟な管(カテーテル)を通して心臓に導入され左心耳を閉鎖します。このデバイスは心耳内に形成される血栓を閉じ込めるように設計されており、それによって脳卒中のリスクを低減します。また、抗凝固剤を長期的に服用する必要もなくなる可能性があります。

心房細動は、心臓が規則的に拍動し血液を効率的に送り出す能力に影響する障害で、全世界で約1,500万人の健康に影響を及ぼしています。心房細動のある患者さんでは、左心耳に形成された血栓が移動するため、脳卒中リスクが高くなります。抗凝固剤は、従来からこうした患者さんの脳卒中リスクを軽減する唯一の治療法でした。

WATCHMANデバイスは、2005年、欧州およびアジアのいくつかの国において販売が承認されました。WATCHMANデバイスは、抗凝固療法が不適応の患者に対しては禁忌です。

米国において、WATCHMANデバイスは臨床試験用医療機器の扱いで、適用法により研究目的の使用に制限されており市販はされていません。本製品は、2011年3月にボストン・サイエンティフィック社が買収したAtritech社により開発されました。詳しくは、ウェブサイトwww.Atritech.netをご覧ください。

将来予測に関する記述についての注意事項

このプレスリリースには、証券法(1933年制定)第27A条および証券取引法(1934年制定)第21E条の意味するところの将来予測に関する記述が含まれています。「予期する」「期待する」「予想する」「信じる」「計画する」「推定する」「意図する」などの語句を用いた表現が将来予測の記述となりますが、これらの記述は現時点で得られた情報による確信、想定、推定に基づくものであり、将来の事象や実施を保証することを意図するものではありません。将来予測の記述には、製品の市場、薬事承認、米国における構造的心疾患分野での事業計画、臨床試験、製品性能および競争入札などに関する記述なども含まれます。基本的前提が結果的に不正確であった場合、もしくは一定のリスクや不確実な要素が具体化するような場合には、将来予測に関する記述で明示または含意された見込みおよび予測と実際の結果が大幅に異なる可能性があります。これらの要因は、事業戦略の実施能力に対して実際に影響している場合や、将来的に他の要因が加わって実施能力に影響を及ぼす可能性があり、本プレスリリースの記載で予期した結果と実際の結果が大幅に異なる状況をもたらすことがあります。そのため、本プレスリリースの読者は将来予測に関する記述について全面的に依拠することを避けるよう注意してください。

このような相異をもたらす要因には、将来の経済状況、競合、償還および規制の諸条件、新製品の導入、人口統計学的動向、知的所有権、訴訟、金融市況、ボストン・サイエンティフィック社および競合他社の将来的な経営上の意思決定などがあります。これらの要因すべてを正確に予測することはほとんど不可能であり、また、多くは制御できません。当社の将来的な経営に影響する可能性のある要因ならびにその他の重大なリスクに関する概要および詳細な一覧については、証券取引委員会に提出した、最新の10-K年次報告書パートI 1A項目「危険因子」を参照してください。なお、この内容は、提出済みまたは提出予定の10-Q四半期報告書パートII 1A項目「危険因子」で更新されることがあります。ボストン・サイエンティフィック社は、見込みの変更やその根拠となる事象、条件、状況の変化など、将来予測の記述に記載された内容と実際の結果が異なる可能性に影響を及ぼすような変化について、それらを反映するように将来予測に関する記述の内容を公に更新または改訂する意思および義務を一切否認します。本注意事項は本稿に記載された将来予測に関するすべての記述に適用されます。

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<ボストン・サイエンティフィック社について>

ボストン・サイエンティフィック社(米国マサチューセッツ州)は、最先端メディカルデバイス(医療機器)の開発・製造・販売を行うグローバル企業です。インターベンション(身体をメスで大きく切らない治療)の分野では世界最大手。
https://www.bostonscientific.com

<ボストン・サイエンティフィック ジャパン株式会社>

ボストン・サイエンティフィック社の日本法人で、1987年に創立され、最先端メディカルデバイス(医療機器)の輸入・販売・製造業者として日本におけるインターベンションの発展を担っています。2011年度の総売上高は760億円です。
https://www.bostonscientific.jp

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