2012-03-25

2つの無作為化臨床試験の解析からボストン・サイエンティフィック社プラチナクロム合金製ステントの長期使用による変形例がないことを確認

(このプレスリリースは、2012年3月25日に米国ボストン・サイエンティフィック社が発表したプレスリリースを翻訳したものです。PROMUS Element Plusは日本において未承認品です。)

ACC 2012で発表されたPERSEUSおよびPLATINUM臨床試験からの定量的冠動脈造影検査結果

ボストン・サイエンティフィック社(本社:マサチューセッツ州ネイティック、NY証券取引所略号:BSX)はイリノイ州シカゴにおいて本日(2012年3月25日)、PERSEUSおよびPLATINUM無作為化臨床試験において定量的冠動脈造影検査(QCA)により解析した、ステントの長軸方向の変形(longitudinal stent deformation)発生率の結果を発表しました。この解析には2,400名以上の患者さんが含まれ、3種類の冠動脈ステントプラットフォーム、すなわちプラチナクロム合金製ElementTMプラットフォーム(IONTMパクリタキセル溶出型ステントシステム[TAXUS® ElementTM]とPROMUS ElementTMエベロリムス溶出型ステントシステム)、Xience V®/PROMUS®エベロリムス溶出型ステントシステム、TAXUS Express®パクリタキセル溶出型ステントシステムが解析されました。本試験は、複数の薬剤溶出型ステントプラットフォームに関するステントの長軸方向の変形を評価した、最大で体系的な独立コアラボ解析で、無作為化臨床試験からの前向きQCA評価に基づきステントの長軸方向の変形を評価する、最初で唯一の臨床データ報告です。結果は米国心臓病学会年次学術集会で、キリスト病院心血管センターおよびシンシナティにあるリンドナー研究センターの医長であるDean Kereiakes医学博士により発表されました。またこの結果は、EuroIntervention誌のオンライン版に同時発表される予定です。

「独立コアラボによる今回の大規模で体系的な血管造影解析データから、過去に報告されていたステントの長軸方向の変形例は、試験したステントプラットフォームでは、また評価した様々に複雑な標的病変において、稀にしか認められないことが分かりました」と、Kereiakes博士は述べています。また「この解析および評価法は、ステントの長軸方向の変形の発生率および臨床的意義を評価する将来的な試験に対して、有用な手掛かりになるかもしれません」とも述べています。

この事後解析には、PERSEUSおよびPLATINUM Workhorse試験において単一ステントが留置された、2,403名の患者さんから得られたQCAデータが含まれました。試験期間中にQCAによって前向きに測定したステント長を、留置ステントの公称長と比較しました。この比率が1.0であれば測定値と公称ステント長が等しいことを示しますが、1.0未満であればステントの短縮が、1.0を超えればステントの延長が生じた可能性を示唆します。平均QCA測定値と公称ステント長の比率の分布を、各試験で無作為化された試験群と対照群で比較しました。

PERSEUS試験では、公称ステント長に対する測定値の比率の累積分布から、その平均値の差はIONステントとTAXUS Expressステントプラットフォームで類似していることが分かりました(各平均比は0.94と0.95、p=0.16)。比率の最小値もIONステント群とTAXUS Expressステント群で類似していました(0.594と0.612)。後拡張を行った患者さんでも、その平均値の差はIONステントとTAXUS Expressステントで同程度(0.94と0.95、p=0.10)であり、このような患者さんでは後拡張が、縦軸方向のステント変形を生じさせないことが示唆されました。

PLATINUM試験では、公称ステント長に対する測定値の比率の累積分布から、その平均値の差はXience V/PROMUSの方がPROMUS Elementステントに比べて、僅かですが有意に小さいことが分かりました(0.92と0.94、p=0.004)。ステントの視認性の違い、ステント長変化(foreshortening)、および校正によって測定値が変動する可能性があるため、上記の所見の臨床的意義は不明ですが、PROMUS Elementプラットフォームではステントの長軸方向の変形の発生率が高いという所見に相反しています。比率の最小値も、Xience V/PROMUSステントはPROMUS Elementステントに比べ僅かに低値でした(0.426と0.559)。後拡張を行った患者さんでも、その平均値の差はXience V/PROMUSステントの方がPROMUS Elementステントよりも僅かに小さく(0.93と0.94、p=0.04)、このような患者さんでは後拡張が、縦軸方向のステント変形の可能性に影響しないことが示唆されました。

「ステントの製造業者、ストラット厚、コネクタの数、および合金の組成に関わらず、多くの冠動脈ステントでは、ステントの長軸方向の変形は稀な事象であることが明らかになりました」と、ボストン・サイエンティフィック社のグローバル最高医療責任者であるキース・D・ドーキンス博士は述べています。また「プラチナクロム合金製(PtCr)ステントシリーズがもつX線透視画像上での優れた視認性により、ステントの長軸方向の変形が生じた稀な場合でも、医師はこれを容易に特定して治療することができますし、あらゆる留置術において正確なステント留置と完全なステント拡張を行うことができます」とも述べています。

米国ではIONTMパクリタキセル溶出型ステントシステムおよびPROMUS Element Plusエベロリムス溶出型ステントシステムが2011年、FDAにより承認されています。

Xience Vはアボット社グループのトレードマークです。PROMUSステントは、アボット社が製造するXience Vステントを、プライベートブランドでボストン・サイエンティフィック社が販売する際の製品名です。

PERSEUS試験およびPLATINUM試験について

前向きのPERSEUS Workhorse無作為化試験では、1,262名の患者さんを対象に、IONパクリタキセル溶出型プラチナクロム合金製ステントシステム(TAXUS Element)の安全性および有効性をTAXUS Expressパクリタキセル溶出型ステントシステムと比較しました。また、前向きPLATINUM Workhorse無作為化試験では1,530名の患者さんを対象に、PROMUS Elementエベロリムス溶出型プラチナクロム合金製ステントシステムの安全性および有効性をXience V/PROMUSエベロリムス溶出型ステントシステムと比較しました。いずれの試験も、主要エンドポイントとした12ヵ月時点での標的病変不全に関する非劣性を達成しています。

将来予測に関する記述についての注意事項

このプレスリリースには、証券法(1933年制定)第27A条および証券取引法(1934年制定)第21E条の意味するところの将来予測に関する記述が含まれています。「予期する」「期待する」「予想する」「信じる」「計画する」「推定する」「意図する」などの語句を用いた表現が将来予測の記述となりますが、これらの記述は現時点で得られた情報による確信、想定、推定に基づくものであり、将来の事象や実施を保証することを意図するものではありません。将来予測の記述には臨床試験、製品性能、臨床試験成績および競争入札などに関する記述なども含まれます。基本的前提が結果的に不正確であった場合、もしくは一定のリスクや不確実な要素が具体化するような場合には、将来予測に関する記述で明示または含意された見込みおよび予測と実際の結果が大幅に異なる可能性があります。これらの要因は、事業戦略の実施能力に対して実際に影響している場合や、将来的に他の要因が加わって実施能力に影響を及ぼす可能性があり、本プレスリリースの記載で予期した結果と実際の結果が大幅に異なる状況をもたらすことがあります。そのため、本プレスリリースの読者は将来予測に関する記述について全面的に依拠することを避けるよう注意してください。
このような相異をもたらす要因には、将来の経済状況、競合、償還および規制の諸条件、新製品の導入、人口統計学的動向、知的所有権、訴訟、金融市況、ボストン・サイエンティフィック社および競合他社の将来的な経営上の意思決定などがあります。これらの要因すべてを正確に予測することはほとんど不可能であり、また、多くは制御できません。当社の将来的な経営に影響する可能性のある要因ならびにその他の重大なリスクに関する概要および詳細な一覧については、証券取引委員会に提出した、最新の10-K年次報告書パートI 1A項目「危険因子」を参照してください。なお、この内容は、提出済みまたは提出予定の10-Q四半期報告書パートII 1A項目「危険因子」で更新されることがあります。ボストン・サイエンティフィック社は、見込みの変更やその根拠となる事象、条件、状況の変化など、将来予測の記述に記載された内容と実際の結果が異なる可能性に影響を及ぼすような変化について、それらを反映するように将来予測に関する記述の内容を公に更新または改訂する意思および義務を一切否認します。本注意事項は本稿に記載された将来予測に関するすべての記述に適用されます。

連絡先:

エリック・オールソン
336-293-4393(社内)
メディア向け情報担当
eric.olson@bsci.com

ショーン・フィンドレン
617-520-7268(社内)
メディア向け情報担当
sfindlen@webershandwick.com

ショーン・ヴァーチス
508-652-5305(社内)
投資家向け情報担当
investor_relations@bsci.com

<ボストン・サイエンティフィック社について>

ボストン・サイエンティフィック社(米国マサチューセッツ州)は、最先端メディカルデバイス(医療機器)の開発・製造・販売を行うグローバル企業です。インターベンション(身体をメスで大きく切らない治療)の分野では世界最大手。
https://www.bostonscientific.com

このプレスリリースに関するお問い合わせ先

プレスルーム (コーポレートコミュニケーションズ)
TEL : 03-3343-9411, FAX : 03-3343-0264
E-mailでのお問合せはこちらへ (pressroom@bsci.com)
ボストン・サイエンティフィック ジャパン株式会社