脊髄刺激療法(SCS) Patient Voice 1

脊柱管狭窄症の手術後、長引く腰下肢痛に対し、SCSを受けられた患者さんの声

監修:りんくう総合医療センター 麻酔科 米本紀子先生
 

SCSを行う前の痛みの状態に関して教えて下さい

 数年前に脊柱管狭窄症の手術(整形外科で行う脊椎の手術)を行いました。手術後、手術部位ではなく腰下肢に痛みを感じるようになり、次第に右足に冷感や動き辛さも感じるようになってきました。その時の痛みは、歩くと、頭に“ピーン”と神経を伝わってくるような感じでした。
 痛みの治療で、手術をして下さった病院だけでなく、他の整形外科病院を複数受診し、薬の治療も行って頂きましたが、改善が見込めませんでした。痛みが続くため、家では階段をうまく下りることができなかったり、別疾患(神経疾患)のリハビリにも支障が出るといった不自由な生活が続いていました。
 

SCSの説明を聞いてどのように感じましたか?

 別疾患の治療で現病院の神経内科を受診した際に、偶然、同病院のペインクリニックを勧めて頂きました。ペインクリニックでは、薬に加えて、神経ブロックの治療を行い一時的には良くなりますが、長期的には改善しませんでした。そこで、脊髄刺激療法(SCS)のことを主治医の先生から伺いました。
 SCSは機器を植え込む必要があること、また模型を使って具体的にどのような手術になるか、主治医の先生が具体的に説明をして下さりました。他に選択肢がなく、痛みを少しでも改善したかったので、あまり抵抗感なく手術を決断することができました。
 

SCSを施行した感想

 手術の時間は2時間くらいでした。SCSを実施した後は、だいぶ痛みが和らいでいるのを実感しました。例えば、手術前は痛みで洗面台に立って歯磨きができなかったのですが、自分でできるようになりました。また、家族にお願いしていたお茶碗洗いも自分で行えるようになりましたし、階段の上り下りも気にならなくなりました。長い間立つと未だ痛みを感じますが、こうした当たり前の日常動作を行えるようになりましたので、うれしく思っています。
 

SCS治療を受けて良かったか?

 SCSを受けた後は、当たり前の日常動作を行えるようになっただけでなく、「“痛い痛い”と言わなくなった」と主人から聞きましたし、カラオケ仲間からも「痛いと言わないようになった」と言われました。私の場合は、痛みを少しでも楽にしたいと思っていましたので、SCS治療を受けて良かったと思っています。
 SCSは機器を体内に植え込みますし、手術も必要となりますので、人によっては受け止め方が変わってくると思います。主治医の先生がSCSのことをご存知でしたら、お話だけでも伺ってみると良いかもしれません。
 

プロフィール
KMさん(仮名)74歳(取材時) 女性 既婚
2017年SCSを実施 取材:2018年3月
写真はイメージです。当インタビュー記事は、患者様の個人的な感想で、全ての患者様の症状が同じように改善することを保証するものではありません。
患者さん体験談