用語集

ECG/EKG(心電図)
心臓の電気信号を図示したもの。心臓内の電気信号の動きを表し、医師は心拍のパターンを見ることで調律の種類を判定する。

アダプティブレート
デバイスが、活動、運動に伴う身体の必要性に応じてペーシングレートを増減する機能。

植込み型除細動器(ICD)システム
除細動器を参照。

カーディオバージョン
心拍にタイミングを合わせて低-中エネルギーの電気ショックを心臓に与え、速い拍動( 心室頻拍・心房細動) を正常な調律に戻す治療法。

駆出率
1 回の拍動で左心室から駆出される血液量をパーセントで表したもの。個人差はありますが、一般に健康な人の駆出率は55%以上である。駆出率の低い方は心臓突然停止のリスクが高くなる。ご自身の駆出率と健康に及ぼす影響については、担当医師にご相談ください。

カテーテル
さまざまな目的のため体内に挿入する細く、柔軟な管やワイヤ。カテーテルは電気生理学的検査のときなどに心臓に挿入し、心臓の電気的活動をモニタする。管状のカテーテルには血管を通じてリードの植込みに使われるものもある。電気生理学的検査(EPS)/ 試験の項も参照。

胸部
鎖骨の下に位置する胸の上部。一般的に、この部分にデバイスを植込む。

抗頻拍ペーシング(ATP)
複数の連続した低エネルギーの速いペーシングパルスを心臓に送り、正常な心調律に戻す機能。

細動
心房細動心室細動の項を参照。

上室性頻拍(SVT)
心室の上部の特定領域(通常は心房内)を発生源とする信号により生じる速い心拍。SVT の心臓の心拍は1 分間に150 回を超え、動悸や息切れを引き起こす。

除細動
極端に速く不規則な心拍(心室細動)に対し、電気的ショックを心臓に与え、正常な調律に戻す治療法。

除細動器
極端に速い、もしくは不規則な心拍を正常なリズムに戻すために心臓に電気ショックを送る機器。除細動器には植込み型と体外式がある。

徐脈
心拍が正常より異常に遅い状態。一般に1 分間に60 回未満の遅い心拍を指す。

心筋梗塞(MI)
心臓発作とも言われ、心臓に血液を供給する動脈が詰まった状態。この状態により、血液が届かない部分で、心臓組織の一部が壊死する。心筋梗塞の症状には、胸・腕・首の痛み、吐き気、疲労感、息切れなどがある。

心室
心臓下部の右心室と左心室と呼ばれる2つの部屋。右心室は肺に血液を送り出し、左心室は肺で酸素が提供された血液を全身へ送る。

心室細動(VF)
心室の多数の箇所から発生した異常な電気信号により引き起こされる非常に速く不規則な心調律。拍動があまりに速いため、ごく少量の血液しか全身に送れなくなります。VF 時の心拍は1 分間に300 回程度になることがあり、直ぐに治療を行わないと致命的になる可能性がある。VF の唯一の治療方法は除細動である。

心室非同期
心臓が左心収縮から右心室収縮までの正常なタイミングを保ていない状態。

心室頻拍(VT)
心室から発生する異常な電気信号により引き起こされる速い調律。心拍が1 分間に120 〜 250 回になり、めまい、脱力感、眼前暗黒感、失神などの症状がある。心室頻拍は心室細動に移行することがある。

心臓再同期治療
デバイスが行う左心室と右心室を同期させて同時に収縮させる治療。心臓のポンプ作用をより効果的にする。

心臓再同期治療除細動(CRT-D)システム
本体(デバイスあるいはパルスジェネレータとも言う)とリード。CRT-D システムは心不全と呼ばれる状態を治療するために植込む。左心室と右心室の収縮を整えることで、心臓のポンプ作用をより効果的にし、身体が必要とする血液が流れるようにする。CRT-D システムは、非常に速く不規則な心拍を正常な調律に戻すため、心臓に電気ショックを送る除細動器の役目も果たしている。除細動器及び心不全を参照。

心臓突然死(SCD)
心臓突然停止による死亡。心臓突然停止(SCA)の項も参照。

心臓突然停止(SCA)
心臓の電気的な問題が原因で極端に速く不規則な心拍が引き起こされ、心機能の突然の喪失(心停止)にいたること。治療せずに放置すると、SCA は死亡につながる(心臓突然死とも呼ばれる)。

心臓発作
心筋梗塞(MI)の項を参照。

心停止
心臓突然停止(SCA)を参照。

心拍
連続した心臓の拍動。医師から「心拍が正常」「心拍が異常」という言葉を聞くことがあるが、正常な心拍数は一般的に1 分間に60 〜 100 回である。

心不全
身体が必要とする十分な血液を心筋が送り出せない病態。

心不全治療機能付き除細動器
心臓再同期治療除細動器(CRT-D)システムを参照。

心ブロック
心臓自体のペースメーカ(洞房結節)が出す電気信号が心室に届くのが遅れたり、心室まで届かない状態。

心房
心臓上部の右心房と左心房と呼ばれる2つの部屋。心房は心臓に戻ってくる血液を集め、下の部屋(心室)に送り込む。

心房細動(AF)
心房のいくつかの領域で発生する異常な電気信号が原因で起こる不規則な心拍。心房細動中の心房は1 分間に200 〜 600 回の心拍になる。通常はすぐに生死につながることはないが、心房細動を治療しないまま放置すると、脳卒中や心筋損傷のリスクが大幅に上昇場合がある。

テレメトリ交信
ワンドを使用し、本体とプログラマとの情報交換を可能にする技術。

電気生理学的検査(EPS)/ 試験
心臓の電気信号の種類を識別し測定するため心臓にカテーテル(柔軟な細い管やワイヤ)を挿入して行う検査。医師が検査結果から心調律の異常の原因を識別、薬物治療の効果を判定し、最良の治療を判断する。また、異常な心調律が起こった際にデバイスが正常に機能することを確認するために、この検査を利用することができる。

電磁障害(EMI)
植込まれた機器が電磁場との相互作用を発生した場合に生じる障害。電磁場の項を参照。

電磁場
電場(電圧により生じる)と磁場(電流により生じる)から生じる目に見えない力線。発生源から離れるに従い、電磁場は弱くなる。

洞房結節
心臓が持つ自然のペースメーカであり、洞房結節は右心房内にある特殊な細胞の集まり。通常、ここで心臓の電気信号が生成される。この信号が心臓を巡ることにより拍動が生まれる。

パルスジェネレータ
本体(デバイスとも言う)。CRT-D システムの一部で、電子部品と電池が組み込まれている。胸部皮下(腹部の場合もある)に植込まれる。胸部の項を参照。

非同期
心房心室において正常なタイミングで収縮していない状態。

不整脈
正常ではない心拍。拍動が、速すぎる、遅すぎる、不規則など、異常がある状態。

プログラマ
デバイスとの情報のやり取りを行う、マイクロコンピュータを使用した装置。検査や退院後の定期検診の際にプログラマで情報を収集し、表示する。医師、または技師はプログラマを使ってデバイスを調整し、不整脈の検出と治療が適正に行われるようにする。

房室結節
心室の上部にある右心房と左心房の間の、特殊な細胞の集まり。心臓の電気的経路の一部で、心房から心室への信号の伝達を行っている。

房室同期
心房心室において正常なタイミングで収縮している状態。

本体(CRT-D、デバイス)
パルスジェネレータを参照。

リード
心臓に植込まれ、デバイスに接続される絶縁された導線。リードは心拍を感知して、デバイスからペーシングパルスやショックを心臓に伝える。通常、リードは静脈を介して心臓に留置される。

ワンドを使用したテレメトリ交信
本体に近い皮膚の上に置いたワンドを介して本体とプログラマとの情報交換を可能にする技術。テレメトリ交信を参照。