頚動脈狭窄症の治療には、3つの選択肢があります。
 

1.内科療法(内服薬)

抗血小板薬という血液をサラサラにする薬を服用し、脳梗塞を予防します。狭窄が軽度の場合にはこの薬で十分に予防効果があります。しかし狭窄が高度の場合には、こういった薬を内服していても、症候性病変では年間13%、無症候性病変でも年間2%程度に脳梗塞の確率があります*ので、頚動脈内膜はくり術(CEA)や頚動脈ステント治療(CAS)が必要となる場合があります。
 

2.頚動脈内膜はくり術(CEA:Carotid Endarterectomy)

頚動脈内膜はくり術(CEA)とは、全身麻酔下で、頚動脈を直接切開し、動脈硬化で厚くなった血管壁の内膜を取り除き、血管を太くする手術です。
血管の狭窄が高度な場合に、薬だけによる治療よりも脳梗塞の予防効果が高いことが証明されています。
 

3.頚動脈ステント治療(CAS:Carotid Artery Stenting)

頚動脈ステント治療(CAS)は、細くなった頚動脈を血管内から広げる方法で、2008年4月に保険診療として認可された比較的新しい治療方法です。
頚動脈が細くなっている場所に金属製のメッシュ状の筒(ステント)を留置し広げます。血管の中から行う手術であるため血管内治療とも呼ばれます。
頚動脈内膜はくり術(CEA)の難しい症例に有効性が証明されており、日本では過半数の患者さんにこの治療が行われています。 **

次ページでは頚動脈ステント治療(CAS)の詳細な治療ステップについて解説しています。
 

* 無症候性頚動脈狭窄症に対するCEAのランダム化研究 ACASを参照 
(Endarterectomy for asymptomatic carotid artery stenosis. Executive Committee for the Asymptomatic Carotid Atherosclerosis Study.)

症候性頚動脈狭窄症に対するCEAのランダム化研究 NASCETを参照
(N Engl J Med. 1991 Aug 15;325(7):445-53. Beneficial effect of carotid endarterectomy in symptomatic patients with high-grade carotid stenosis.)

** 日本脳神経外科学会訓練施設報告参照